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親と一緒にスムーズに生前整理を進めるコツ

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2022年4月8日

生前整理を親子の最高の思い出にするには

生前整理を親子の最高の思い出にするには

親子で生前整理を進めていくと、抵抗にあったり衝突が起きたりもしばしば。
「実家の片づけで失敗やトラブルがあった」というご家庭は、実に全体の87%(一社生前整理普及協会調べ)というデータもあります。

1.生前整理の主役はあくまで親。いきなり主導権を握ろうとしない

生前整理でモノを片づけるメリットのひとつが「残される家族の遺品整理負担が減る」こと。
これは子世代にとって強いモチベーションになるため、つい気持ちを強く押し付けがちです。
トラブルを減らすためには、親世代にとっても次のようなメリットがあることを伝え、気持ちも共有しながらすすめましょう。

  • 「安全・快適に暮らせる」・・・
    安全に片づいた家で健康的に安心して暮らせます「親を動かすキーワードは安全・健康・安心」。片付けストレスからも解放され、心身が軽くなります
  • 「大切なモノを自分の手で思い出として残せる」・・・
    モノと向き合って自分を振り返る作業は、心の整理へとつながります。すると、前向きに将来の暮らしを考える気持ちの余裕ができます

2.親と生前整理を一緒にするときのポイント5つ

高齢の親世代が生前整理作業を自分事として頑張るためには、相当なエネルギーを要します。
子世代が以下のようなポイントを踏まえ、上手にサポートしていきましょう。

1.スケジュールを組む時のコツ・・・完璧を求めず、余裕をもって

全体のスケジュールを作ったら、所要時間を通常の2倍ほど見積もります。高齢の親の場合、作業そのものがゆっくりペース。一度の作業が長すぎると疲れてイヤになることも・・・また心身の調子の悪いときもあるので、様子を見ながら調整しましょう。予定通り進んでも進まなくても、時間が来たら終了して休憩します。おやつなど用意してできるだけ楽しいひとときにできたらよいですね。
「とてもそんな時間がとれない!」という方は、本人と家族にしかできない生前整理を優先して取り組みます。

2.親の思い出話をたくさん聞く・・・大切なモノを集めた思い出箱作り

モノの片づけをしていると、金銭的価値はなくても、本人にとって思い出深いモノが必ずあります。例えば、子供のころの宝物、親友からの手紙、初めて編んだ帽子、部活のユニフォームなど・・・そのモノにまつわる思い出話を積極的に聞きましょう。そして、取っておきたい思い出のモノは「思い出箱」に収める、眼につくところに飾るなどして大切に扱います。
大事なのは、そのモノではなく、それにまつわる思い出と共感してくれる家族の存在です

3.親の写真を一緒に整理する・・・ベストショットアルバムを作ろう

どこの家にもある、押し入れや納戸に押し込められたまま長い年月が経っているアルバムや未整理写真。 親が元気なうちに写真の整理を提案してみましょう。 一緒に整理しながら写真について思い出のヒアリングをするのがコツ。親の人生や想いを知ると、親子の距離がグッと縮まります。
最終的に30枚程度を厳選し、手のひらサイズのコメント付きベストショットアルバムを作りましょう。
コンパクトなベストショットアルバムは気軽に開いて楽しめ、ずっと残しておけます。
残りの写真を処分またはデジタル化すれば、スペースも空いて一石二鳥。

4.「ゴミとして捨てる」以外の処分方法を提案・・・売る、寄付する、業者依頼などを手伝う

「捨てる」ことに抵抗感が大きい親世代。 ブランドモノや趣味のモノなら買取業者に売る、衣類や一般生活用品ならリユースショップに引き取ってもらう、など、まずはモノを生かしお小遣いにもなる方法を提案。スマホを使い慣れているならフリマアプリを試すのも良いですね。値がつかなくても良いなら、「寄付する」ことで誰かの役に立つこともできます。また、人形や手紙など捨てにくいモノは供養する、という方法も。
処分の最新情報提供は子世代の役目。もしも業者を頼む場合はできるだけ立ち合いましょう。

5.スムーズなポジションチェンジを心がける・・・思いやり目線をもって

元気な時はしっかりして頼りがいもあった親が、老いてできないことも増えなんだか頑固になってきた・・・子世代としては切なさも相まって、ついかける言葉がきつくなっていませんか?
実はいつまでもしっかりしていたい親自身こそ、自分の「老化」について情けなく辛い気持ちでいっぱいなのです。 そこに突然、子世代に踏み込まれて指示やダメ出しをされては、カチンときますよね。 考えやペースの違い以前に、傷つき、感情的になってしまいます。
信頼関係を充分築いたうえで、親世代に寄り添うことを心がけながらリードしましょう。
子世代にとっては、いずれ自分の行く道ですから。

「切り出しにくい」「時間がない」「喧嘩になってしまう」などお困りの場合は、生前整理アドバイザーに相談しながら進めるなど、プロに第三者として協力してもらうとスムーズな場合もあります

親への感謝の気持ちを忘れず、「元気に暮らしてほしい」という思いを言葉にすること。 「親と一緒に生前整理」すると、親の暮らしが快適になるだけでなく、親子の最高の思い出になりますよ。

~本コラムの筆者プロフィール~

村上 充恵氏

ル・リアン横浜代表。生前整理コンシェルジュ。小田急不動産住まいのプラザ窓口で生前整理の個別相談デスクを担当中。セミナー、相談会などを通じて生前整理メソッドをわかりやすく伝える活動をしている。生前整理普及協会アドバイザー認定指導員。

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